症状ごとに確認を始める段階
モバイルデータ通信が使えない原因は、通信会社側の障害、スマホの設定、契約の状態、SIMの不具合、端末の故障など幅広くあります。まず自分の症状を確認し、下の表で始める段階を決めてください。迷ったら1から順に進めます。
| 症状 | 最初に確認する段階 |
|---|---|
| 急に全く繋がらなくなった。周りの人も繋がらない | 1(通信障害・エリア) |
| アンテナは立つのに、Webやアプリが読み込まれない | 2(オン/オフ・再起動)→3(容量・未払い) |
| 繋がるが極端に遅い | 3(速度制限) |
| 「圏外」「SIMなし」「SOSのみ」と表示される | 1→4(SIMの認識) |
| 機種変更やSIMの差し替え・乗り換えの直後から繋がらない | 4(SIM/eSIMとAPN) |
1. 通信障害の情報とエリアを確認する
最初に確認するのは、通信会社側で障害が起きていないかです。自分では直せない原因なので、先に除外すると無駄な作業を省けます。各通信会社は公式サイトに障害・メンテナンス情報のページを用意しています。Wi-Fiに繋いで、契約している会社の公式サイトで確認してください。格安SIMを使っている場合は、その会社に加えて回線を借りている大手キャリアの情報も見ます。
障害が出ていれば、復旧を待つしかありません。障害がない場合は、場所を確認します。地下、建物の奥、山間部では電波が届かないことがあります。屋外や窓際に移動して改善するなら、原因はエリアです。通信会社の公式サイトにあるエリアマップで、その場所が対応エリアかを確認できます。場所を変えても同じなら、次の段階へ進みます。
2. 機内モード・モバイルデータのオン/オフと再起動
設定の切り忘れや、一時的な不具合で繋がらないことはよくあります。次の3つを順に試してください。
まず、機内モードがオフになっているか確認します。オフなら、一度オンにして10秒ほど待ち、オフに戻します。これでスマホが電波をつかみ直します。次に、モバイルデータ通信のスイッチがオンかを確認します。iPhoneは「設定」→「モバイル通信」、Androidは「設定」→「ネットワークとインターネット」付近にあります(Androidは機種によって項目名や場所が違います)。最後に、スマホを再起動します。
これで直れば一時的な不具合です。アンテナは立つのに繋がらない状態が続くなら3へ、「圏外」や「SIMなし」の表示が続くなら4へ進みます。
3. データ容量の上限・速度制限・料金の未払いを確認する
アンテナが立っているのに通信できない、または極端に遅い場合は、契約の状態が原因かもしれません。月のデータ容量を使い切ると、多くのプランで速度制限がかかります。速度制限とは、通信速度を大幅に落とす措置のことです。制限中の速度はプランによって違いますが、動画や地図の読み込みはほぼ止まったように感じます。
データの残量は、通信会社の公式アプリか会員ページで確認できます。使い切っていれば、追加データを購入するか、翌月のリセットを待ちます。料金の追加購入の価格や条件はプランごとに違うため、公式サイトで確認してください。
料金の支払いが遅れていると、通信を止められることがあります。クレジットカードの有効期限切れや残高不足で、本人が気づかないうちに未払いになっている例もあります。会員ページで請求と支払いの状態を確認してください。容量にも支払いにも問題がなければ、4へ進みます。
4. SIM/eSIMの認識とAPN設定を確認する
SIMが認識されていないとき
「SIMなし」「SIMが挿入されていません」と表示されるなら、スマホがSIMを読み取れていません。物理的なSIMカードを使っている場合は、電源を切ってからSIMトレイを取り出し、SIMの向きや汚れを確認して挿し直します。金属部分の汚れは、乾いた柔らかい布で軽く拭きます。
SIMにPINコード(SIMを守る暗証番号)を設定している場合、起動時に入力を求められます。PINを3回続けて間違えるとSIMがロックされ、解除にはPUKコードという別の番号が必要です。番号が分からないときは推測で入力せず、通信会社に確認してください。
eSIM(スマホに内蔵された、カードを挿さないSIM)の場合は、設定画面でeSIMが有効になっているかを確認します。iPhoneは「設定」→「モバイル通信」で、回線がオンになっているかを見られます。eSIMのプロファイル(契約情報のデータ)は、不具合があっても自分で削除しないでください。削除すると、再発行の手続きが必要になる場合があります。
APN(プロファイル)の設定を確認する
APNは、スマホがどの通信会社の回線に繋ぐかを決める設定です。大手キャリアの端末をそのまま使っている場合は、ほとんど自動で設定されます。格安SIMへの乗り換えや、SIMフリー端末の利用、機種変更の直後に繋がらないときは、APNの未設定や設定ミスがよくある原因です。
Androidでは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「アクセスポイント名」で確認できます(機種によって経路が違います)。iPhoneでは、通信会社によっては「構成プロファイル」という設定ファイルをインストールする方式です。古い会社のプロファイルが残っていると繋がらないことがあるため、「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」で確認します。正しいAPNの値やプロファイルの入手方法は、契約している通信会社の公式サイトに記載されています。
他社から購入した端末を使っている場合は、SIMロック(特定の会社のSIMしか使えなくする制限)の有無と、端末がその会社の電波の周波数に対応しているかも確認が必要です。SIMを認識し、APNも正しいのに繋がらないなら5へ進みます。
5. 5G/4Gの切り替えとネットワーク設定のリセット
5Gのエリアの端では、5Gと4Gの切り替えがうまくいかず、通信が途切れることがあります。iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」で4Gを選べます。Androidは「優先ネットワークの種類」などの項目で切り替えます。4Gに固定して改善するなら、しばらくその設定で使い、様子を見ます。
それでも直らない場合は、ネットワーク設定のリセットを試します。iPhoneは「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」です。Androidは「設定」→「システム」→「リセットオプション」付近にあります。リセットすると、保存したWi-Fiのパスワードや、Bluetoothのペアリング情報、手動で入力したAPNも消えます。写真やアプリのデータは消えません。Wi-Fiのパスワードを手元に控えてから実行し、リセット後に必要ならAPNを設定し直します。
6. 自分で直せないとき:SIMの再発行か端末の修理か
ここまでで直らなければ、SIMか端末のどちらかの不具合が疑われます。切り分けるには、別のスマホにSIMを挿して試す方法があります。別の端末で繋がるなら、元の端末の故障が疑われます。別の端末でも繋がらないなら、SIM側の不具合が疑われます。家族の端末を借りるなど、試せる環境がある場合に限って行ってください。
SIMの不具合なら、通信会社でSIMの再発行を受けます。端末の故障なら、メーカーや購入した店舗の修理窓口に相談します。再発行の手数料や修理の費用、保証の範囲は契約内容によって変わるため、手続きの前に公式サイトか窓口で条件を確認してください。
通信会社へ問い合わせる前に控えておくこと
問い合わせの前に、次の情報をメモしておくと話が早く進みます。契約者の名前と電話番号、端末の機種名とOSのバージョン、症状が始まった日時と場所、画面の表示(「圏外」「SIMなし」など)、そしてこの記事のどの段階まで試したかです。端末の識別番号であるIMEIを求められることもあります。電話アプリで「*#06#」と入力すると表示されます。
繋がらないスマホでは電話窓口にかけられない場合があります。Wi-Fiに繋いで公式サイトのチャットを使うか、別の電話から問い合わせてください。契約内容の変更や再発行の手続きは、条件を読み違えると費用が発生することがあります。案内された内容は、手続きする前に公式サイトの記載とも照らし合わせてください。