先に結論:迷ったら「今のOS」と「家族の端末」で決める
乗り換えの手間と失うデータを考えると、今と同じOSを選ぶのがもっとも負担の少ない選択です。家族とスマートウォッチや見守り機能を共有しているなら、家族と同じOSにそろえると便利です。そのうえで、予算を抑えたい人や、カメラ・画面の形などにこだわりがある人は、選べる機種が多いAndroidも検討する価値があります。逆に、操作を覚え直したくない人や、数年後に下取りに出す前提で買う人にはiPhoneが向きます。
以下の比較は一般的な傾向です。Androidは多くのメーカーが作っているため、機種によって差が大きい点に注意してください。
6つの観点での比較
| 観点 | iPhone | Android |
|---|---|---|
| 操作性 | どの機種でも操作がほぼ同じ | メーカーごとに画面や設定の配置が違う。自分好みに変えやすい |
| 価格帯の幅 | 機種が少なく、安いモデルでも中価格帯以上 | 入門機から高価な折りたたみ機まで幅広い |
| アップデート期間 | 過去の実績では長い | メーカー・機種によって大きく違う |
| 周辺機器・家族との連携 | Apple製品どうしの連携が強い | 選択肢は多いが、連携の強さはメーカー次第 |
| データ移行 | 同じOS間は簡単。OSをまたぐと一部移せない | 同じ |
| 下取り価格 | 値下がりしにくい傾向 | 上位機種以外は値下がりしやすい傾向 |
操作性:統一感のiPhone、自由度のAndroid
iPhoneは、どのモデルでも設定画面や操作方法がほぼ同じです。機種変更しても戸惑いにくく、家族に使い方を教えるときも説明しやすい点が強みです。弱点は、ホーム画面の見た目や標準で使うアプリの変更など、自分好みに変えられる範囲がAndroidより狭いことです。
Androidは、ホーム画面のデザインや操作方法を細かく変えられます。一方で、メーカーごとに設定項目の名前や場所が違います。別メーカーの機種に替えると、操作を覚え直す必要が出ることがあります。
端末の価格帯の幅:選択肢の多さはAndroidが上
iPhoneは毎年発売されるモデルが数機種に限られます。もっとも安いモデルでも、Androidの入門機より高くなります。Androidは数万円の入門機から、20万円を超える折りたたみ機まであります。予算に合わせて選びやすいのはAndroidです。
ただし、安いAndroidは処理性能やカメラの性能が控えめです。日本で特に気をつけたいのはおサイフケータイ(FeliCaというICチップを使ったタッチ決済)です。非対応の機種があるので、交通系ICカードやスマホ決済を使う人は、購入前に対応状況を確認してください。iPhoneは現行モデルであればApple Payで交通系ICカードなどを使えます。
アップデート保証期間:Androidは機種選びで差が出る
OSのアップデートは、新しい機能の追加と、セキュリティ上の問題(不正アクセスなどに使われる欠陥)の修正を含みます。これが止まった端末を使い続けるのは安全面で不利です。
iPhoneは、何年間アップデートするかを機種ごとに大きく掲げてはいません。ただ、過去の実績では発売から5年以上アップデートが提供されてきました。Androidは、GoogleのPixel 8以降とSamsungのGalaxy S24以降など一部の上位機種が、7年間のアップデートを公表しています。一方で、入門機はこれより短い場合が多いです。1台を長く使いたい人は、各メーカーの公式サイトでアップデート期間の方針を確認してから選んでください。
周辺機器・家族との連携:Apple製品が多いならiPhone
Apple WatchはiPhoneでしか使えません。AirPodsはAndroidでもつながりますが、iPhoneとの組み合わせでしか使えない便利な機能があります。Macと組み合わせると、写真やコピーした文字をすぐに受け渡せます。
Android側も、Pixel WatchやGalaxy WatchなどのスマートウォッチはAndroid専用です。Galaxyのスマホ・タブレット・イヤホンのように、同じメーカーでそろえると連携しやすくなります。
家族との連携では、iPhoneの「ファミリー共有」や「探す」、Androidの「Googleファミリー リンク」など、見守り機能はOSごとに分かれています。家族の多くがどちらかのOSにそろっていれば、同じOSにした方が設定も管理も楽です。なお、Googleマップの現在地の共有のように、OSをまたいで使える機能もあります。
データ移行のしやすさ:同じOS間がもっとも簡単
iPhoneからiPhone、AndroidからAndroidへの移行は、標準の機能で連絡先・写真・アプリ・設定の多くを移せます。OSをまたぐ場合も、AndroidからiPhoneへはApple公式の「iOSに移行」アプリ、iPhoneからAndroidへはGoogle公式の移行機能を使えば、連絡先や写真などを移せます。ただし、次の節で説明するとおり、OSをまたぐと移せないものがあります。
下取り価格:iPhoneは値下がりしにくい傾向
中古市場では、iPhoneは発売から年数がたっても価格が下がりにくい傾向があります。2〜3年ごとに買い替えて下取りに出す人には有利です。Androidは上位機種ならある程度の価格がつきますが、入門機は値下がりが早い傾向があります。買取価格は時期や端末の状態で大きく変わるため、下取りを前提にするなら、キャリアや買取店の公式サイトで最新の価格を確認してください。
OSを乗り換えると失うもの
購入済みのアプリは、OSをまたいで引き継げません。有料アプリは、新しいOSで買い直しが必要です。特に注意したいのがサブスクリプション(月額・年額で払う定期購入)です。App StoreやGoogle Playで契約したものは、スマホを替えても自動では止まりません。乗り換え前に、元のOS側で契約状況を確認し、必要なら解約してください。
LINEのトーク履歴は、執筆時点ではOSが違う端末へは直近14日分しか引き継げません。それより前の履歴は移せません。残したいトークは事前にテキストで保存しておく方法があります。条件は変わることがあるので、作業前にLINEの公式ヘルプで最新の手順を確認してください。
メッセージでは、iMessageとFaceTimeがApple製品専用です。iPhoneからAndroidに移る場合は、iMessageから電話番号の登録を解除しておかないと、iPhoneユーザーからのメッセージが届かないことがあります。解除方法はAppleの公式サポートで確認できます。
ゲームのデータは、アカウント連携で引き継げる作品が多いです。ただし、有料のゲーム内通貨はOSごとに別扱いで移せない作品もあります。乗り換え前に、各ゲームの公式案内を確認してください。
条件別:どちらが向くか
今使っているOSで分ける
今のOSに不満がなければ、同じOSのままが無難です。購入済みのアプリやトーク履歴、周辺機器をそのまま使えます。乗り換えるのは、価格や機能で明確な理由がある場合に限るのが損をしない選び方です。
家族の端末で分ける
家族の大半がiPhoneで、ファミリー共有や「探す」を使っているならiPhoneが向きます。子どもにAndroidを持たせ、Googleファミリー リンクで管理している家庭なら、保護者もAndroidの方が設定や問い合わせ対応がしやすくなります。
予算で分ける
本体価格をできるだけ抑えたいならAndroidの入門機・中価格帯が候補になります。ただし、アップデート期間とおサイフケータイ対応を必ず確認してください。高めの本体価格でも数年後に下取りで回収したいなら、iPhoneが合います。
こだわりのある機能で分ける
Apple WatchやMacを使っている人はiPhoneが向きます。折りたたみ画面、microSDカード(容量を後から増やせるカード)の対応、ホーム画面を自由に変えたいといった希望があるならAndroidが向きます。カメラ性能はどちらにも高性能な機種があるため、OSではなく機種ごとに比べてください。
購入前に確認する3つのこと
まず、今の端末で使っているサブスクリプションと有料アプリを一覧にし、乗り換えで失うものを洗い出してください。次に、候補の機種について、メーカー公式サイトでアップデート期間とおサイフケータイの対応を確認してください。最後に、本体価格・下取り価格・キャンペーンは変動が速いため、購入直前にキャリアやメーカーの公式サイトで最新の条件を確認してから契約してください。