比べるときに見る5つの基準
同じ機種を買う場合でも、買い方によって払う金額と使い方の自由度は大きく変わります。比べるときは、次の5点を同じ条件にそろえて見ます。
総支払額
毎月の支払額ではなく、使い終わるまでに払う合計で比べます。端末代のほかに、分割の手数料、返却プログラムで返却しなかった場合に残る支払い、保証サービスの月額料金も含めます。月々の金額が小さく見えても、合計すると高くなる場合があります。
何年使うか
約2年で買い替えるか、4年以上使い続けるかで、得になる買い方が逆になります。長く使うなら、端末が自分のものになる買い方が有利です。
返却時の条件
返却を前提にした買い方では、返却時の端末の状態で追加費用がかかる場合があります。画面割れや故障があると、支払いが増えることがあります。
保証・サポート
メーカー保証は一般に購入から1年です。これを延長したり、落下や水濡れまでカバーしたりする保証サービスは別料金です。どこで買うかによって、入れる保証サービスが変わります。
回線契約に縛られるか
端末の割引が、特定のキャリアとの回線契約を条件にしている場合があります。条件を満たせないと割引が受けられないため、今の回線を続けるかどうかも判断材料になります。
4つの買い方の比較表
| 買い方 | 初期負担 | 端末が手元に残るか | 回線との結びつき | 主な弱点 |
|---|---|---|---|---|
| キャリアの返却プログラム | 小さい | 残らない(返却が前提) | キャリアの条件による | 返却時に状態による追加費用がかかることがある |
| キャリア・量販店で一括購入 | 大きい | 残る | 割引に回線契約の条件がつくことがある | 割引の条件が複雑 |
| メーカー直販のSIMフリー版 | 大きい | 残る | なし | 大きな値引きが少ない。対応電波の確認が必要 |
| 中古・整備済み品 | 小さい | 残る | なし | バッテリーの劣化や保証の短さ |
キャリアの端末返却プログラム
端末代を分割で払い、決められた時期に端末を返すと、残りの支払いがなくなる仕組みです。執筆時点では、ドコモの「いつでもカエドキプログラム」、auの「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクの「新トクするサポート」などがあります。名称や条件は変わることがあるため、必ず各社の公式サイトで確認してください。
強みは、高価な機種を少ない負担で使えることです。2年前後で新しい機種に替えたい人には合っています。
弱点は、端末が手元に残らないことです。返却しなければ残りの代金を払い続けることになり、総支払額は一括購入と変わらないか、手数料などで上回る場合もあります。故障や破損があると追加費用がかかることがあります。返却時期によって手数料がかかるプログラムもあります。回線契約なしで利用できるものもありますが、割引内容が回線契約の有無で変わる場合があります。
キャリア・量販店で一括購入
端末代を一度に払って買う方法です。端末は自分のものになり、何年使っても、売っても自由です。量販店ではポイント還元がつくことがあります。2021年10月以降に発売された端末はSIMロック(特定のキャリアでしか使えない制限)が原則かけられていないため、キャリアで買った端末もほかの回線で使えます。
弱点は、最初に払う金額が大きいことです。また、大きな割引は「他社からの乗り換え」などの回線契約が条件になっていることが多く、条件を細かく読まないと割引を受けられません。
メーカー直販でSIMフリー版を買う
AppleやGoogleなどのメーカーの公式ストアで、回線契約なしで端末だけを買う方法です。格安SIM(大手キャリアの回線を借りて安く提供するサービス)を含め、好きな回線と組み合わせられます。メーカーの保証サービスにも入りやすい買い方です。
弱点は、キャリアのような大きな値引きがほとんどないことです。海外メーカーの一部の機種では、使いたいキャリアの電波の種類(周波数帯、バンドとも呼ぶ)に一部しか対応していないことがあります。回線の初期設定を自分で行う必要もあります。
中古・整備済み品を買う
整備済み品は、中古品を点検し、必要に応じて部品を交換してから販売するものです。Appleの「認定整備済製品」のようにメーカー自身が販売するものもあります。4つの中で最も安く買える方法です。
弱点は、バッテリーが劣化している場合があること、保証期間が短い場合が多いことです。前の持ち主が端末代を払っていないと、端末が通信できなくなる「ネットワーク利用制限」がかかる場合もあります。古い機種ではOSのアップデートが早く終わり、安全に使える期間が短くなります。販売店の保証期間、利用制限の状態、バッテリーの状態が表示されているかを確認してから買います。
使い方・予算・買い替え頻度別の向く買い方
2年前後で最新機種に替えたい人には、返却プログラムが向いています。ただし、ケースや保護フィルムで端末をきれいに保てることが前提です。
1台を4年以上使う人には、一括購入かSIMフリー版が向いています。返却の必要がなく、長く使うほど1年あたりの負担が下がります。今のキャリアを続けるならキャリアや量販店の割引を、格安SIMへ移る予定があるならSIMフリー版を比べます。
回線を料金に応じて乗り換えたい人には、SIMフリー版が向いています。端末と回線を切り離しておけば、乗り換えのたびに端末の条件を気にする必要がありません。
予算をできるだけ抑えたい人や、子ども用・予備用の端末を探している人には、整備済み品が向いています。保証がついた販売店を選ぶことが条件です。
契約前に確認すること
迷ったら、候補の買い方ごとに、実際に使う年数で総支払額を計算して比べます。そのうえで、返却プログラムなら返却時期と査定基準と追加費用、一括購入なら割引の適用条件、SIMフリー版なら対応する周波数帯、中古品なら保証期間とネットワーク利用制限の状態を確認します。料金や条件は頻繁に変わるため、契約前に必ずキャリアやメーカーの公式サイトの最新情報を確認してください。